「お気楽領主の楽しい領地防衛」を読んで 感想・評価

異世界ファンタジー

作品紹介

毎日のように早朝から終電まで働き、30歳で命を落とした主人公は、前世の記憶を持ったまま、剣と魔法の世界にフェルティオ侯爵家の四男ヴァン・ネイ・フェルティオとして転生する。
前世で代わり映えのない無気力な毎日を送っていた事を悔やみ、今世では勉学、剣術に励み、周囲から神童と呼ばれるまでに成長する。
前の人生では味わえなかった充実感を感じながら、このまま楽しい人生を謳歌しようと思っていたが、八歳になって受けた「魔術属性鑑定の儀」でヴァンの魔法属性が、貴族求められる、四元素魔術(炎・水・風・土)では無く、「生産の魔術」であった事から、辺境の村へと追いやられてしまう。

しかし、貴族の堅苦しいルールや生活から距離がおけて自由の身となったと喜ぶ主人公。

「気楽に楽しく暮らせる僕好みの場所にしよう――」

追放された元神童は、前世の記憶と規格外の生産魔術を駆使しして、貧しい辺境の村を驚異的なスピードで発展させていく。

作品詳細

  • 著者(原作):赤池宗
  • 著者(漫画):青色まろ
  • 原作イラスト:転
  • 出版社:オーバーラップ
  • 雑誌・レーベル:ガルドコミックス
  • 発行巻数:5巻 ※2024年6月20日現在
  • 第一巻初版:2022年2月25日(電子書籍版Ver.1.0)

登場人物

  • ヴァン(ヴァン・ネイ・フェルティオ
    本作の主人公で、前世の記憶を持つ生産魔術師。
    幼い頃から勉学、剣術に励み、周囲から神童と呼ばれていたが、8歳で受けた「魔術属性鑑定の儀」で適性が生産魔術と判定された事から、辺境の村へ追いやられてしまう。
  • ティル
    ヴァンの専属メイド。
    ヴァンが追放される際にも、直談判して同行を志願する。
  • カムシン
    父親から虐待され借金奴隷として売り払われるところをヴァンに助けられ従者となった。
    ヴァンに対しては尊敬を通り越して崇拝の対象として接している。
  • エスパーダ
    長年フェルティオ侯爵家を支えてきた有能な執事長で、ヴァンの教育係。
    ヴァンが追放される際には、侯爵家に隠居を申し出て勝手に付いてくる。
    強力な土魔法の使い手で、ヴァンへの教育に情熱を傾ける。
  • ディー
    騎士団副団長でヴァンの剣術指南係。
    ヴァンの天賦の剣才と底知れぬ将器に未来を感じ、エスパーダ同様自主的に付いてくる。
  • オルト・シート
    ヴァンが辺境の村へと赴く際の護衛として雇われた冒険者パーティーのリーダー。
    高飛車で選民意識の強い貴族に対して辟易していたが、皆に分け隔て無く接し、盗賊の襲撃を受ける村を命がけで助けようとするヴァンの姿に感銘をうけ、辺境の領地に到着後も手伝いを申し出る。

実際に読んでみて

作画の好み:10☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 
ストーリーの好み:10☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 
キャラクター:9☆☆☆☆☆☆☆☆☆★
アイデア・独創性:6☆☆☆☆☆☆★★★★ 
読みやすさ:10☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 
エロ・お色気:2☆☆★★★★★★★★ 
TOMOYANのお好みメーター

貴族の子供が魔術属性を理由に辺境に追放されちゃうけど、そのチート能力で貧しかった領地を急激に発展させちゃう系の作品はいくつもあるのですが、その中で一番好きな作品です。

綺麗な絵柄と迫力あるアクションシーン、軽妙な台詞回しにテンポよいストーリー展開。
善良で頑張り屋さんの少年に、それを取り囲む強く、個性的で暖かい仲間達といったキャラクター達が活き活きと描かれており、個人的には、かなり好みのど真ん中ストライク的作品で、続きが気になってしょーがない作品の一つです。

また、この作品には、5巻現在、明確に悪意をもった登場人物、悪人キャラは、盗賊とカムシンの親、ヴァン君のパパンぐらいで、ものすごくイヤな奴があまり出てきません。
勿論、ヴァン君の能力を理解せずに勝手にがっかりしたり、侮った態度を取る者、村の商品を買い叩こうとする商人達などの、ちょっとしたイヤな奴はいますが、執拗に嫌がらせをして繰り返してくるような登場人物がいないというのが、個人的には高評価です(今のところですが)。

3巻以降も、近隣伯爵家の娘や、強力な炎魔法の使い手で姉御肌で(ちょっと過剰気味の)巨乳のお姉さん子爵など、個性豊かで魅力的なキャラクターが登場、ドラゴンを討伐したり、男爵に叙爵されたり、ストーリーもドンドン盛り上がっていきます。

出来損ないだ、無能だと蔑まれ実家を追い出された少年が、その人柄と能力で領地を発展させ、周囲を幸せにしていくという、わかりやすいサクセスストーリーです!

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